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グリーンランド撮影記 Vol.1 — 未知の島との出会い

  • 執筆者の写真: Yuki
    Yuki
  • 2024年8月6日
  • 読了時間: 8分

更新日:8月13日


2024年7月末。

向かったのは、日本から約10,300km離れた場所にある、世界最大の島「グリーンランド」。


「グリーンランドへ行ってきます。」

そうお話しすると、ほとんどの方が最初にこう聞いてくださいました。

「グリーンランドって、どこにあるんですか?」


実は私も、撮影へ行くことが決まるまで、グリーンランドについて詳しく知りませんでした。

名前は聞いたことがある。

でも、どんな場所なのか、どんな景色が広がっているのか。

想像できる人は少ないのではないでしょうか。


まず最初に少しだけ、グリーンランドについてご紹介します。

グリーンランドは、北極圏に広大な国土を持つ世界最大の島であり、デンマーク王国の自治領です。

島全体の約80%は巨大な氷床に覆われていて、その氷床は南極に次いで世界で二番目の大きさを誇ります。

もし、この氷がすべて溶けると世界の海面は約7m上昇するといわれるほど、地球環境にとっても重要な場所です。

そして、グリーンランドならではなのが、季節によって大きく変化する太陽の存在です。

北極圏に位置する地域では、夏になると太陽が沈まない「白夜」、反対に冬になると太陽が地平線の上まで昇らない「極夜」が訪れます。


今回私が訪れた西海岸の町、イルリサット(Ilulissat)では、例年5月下旬頃から7月下旬頃まで白夜の季節。

真夜中になっても空は明るく、24時間太陽の光を感じられる日々が続きます。

一方、冬になるとその環境は一変。

11月末頃から1月中旬頃までは太陽が地平線の上まで昇らない極夜となり、一日の大部分を暗闇の中で過ごします。


同じ場所なのに、夏と冬で光のある時間がここまで大きく変わる。

日本で四季を過ごしている私にとって、それだけでもとても不思議で興味深い環境でした。


気温も、想像する「一年中凍えるような寒さ」とは少し違います。

私が訪れた7月のイルリサットは一年の中では比較的過ごしやすい季節で、平均気温は一桁台。

日差しが出ると意外なほど暖かく感じることもあり、後にカヤックをした際には、まさかのグリーンランドで日焼けまでしてしまいました(笑)。

一方で冬は氷点下の日が続き、海や大地、そして人々の暮らしも夏とはまったく異なる姿を見せます。


そんなグリーンランドで今回私が訪れたのが、西海岸に位置するイルリサット。

日本ではまだあまり知られていない場所ですが、町のすぐそばにはUNESCO世界自然遺産に登録されているイルリサット・アイスフィヨルドが広がる、世界有数の氷山の町です。


そして、この「太陽が沈まない夏」こそが、今回7月末にグリーンランドを訪れた大きな理由の一つでした。


白夜の光に照らされる氷山を、自分の目で見て、写真に残したい。

そんな想いを胸に、日本から遠く離れたイルリサットへ向かいました。



日本から片道約2日。グリーンランドへの旅


グリーンランドへは、日本から直行便はありません。

今回私は、

羽田空港 → ヘルシンキ(フィンランド) → コペンハーゲン(デンマーク) → カンゲルルススアーク(グリーンランド) → イルリサット

というルートで向かいました。


片道約2日。

飛行機を何度も乗り継ぎ、コペンハーゲンで一泊。


長い移動でしたが、不思議と「遠い」とは感じませんでした。

それ以上に、

「どんな景色が待っているんだろう。」

そんな期待で胸がいっぱいだったからです。


特に印象に残っているのが、コペンハーゲンからグリーンランドへ向かう飛行機です。


しばらくすると窓の外には、今まで見たことのない景色が広がり始めます。


どこまでも続く真っ白な氷床。

深い青色のフィヨルド。

見たことのない美しい色の水面。

そして、人の気配がほとんどない広大な大地。


「もうグリーンランドなんだ。」

その瞬間、一気に胸が高鳴ったことを今でも覚えています。

飛行機から見える景色だけでも十分に感動するほど、美しい世界でした。


「あぁ、なんて美しいのだろう」

と地上からでは見られない、飛行機に乗るからこそ見られる景色を見て感動します。


目に映る全てが美しくて、シャッターが切る手が止まりませんでした!


カンゲルルススアーク(グリーンランド) 空港



情報が少ないからこそ、ワクワクした


撮影へ行く前、日本語だけでなく英語でもたくさん情報を探しました。

でも、驚くほど情報が少なかったのです。


「実際にはどんな場所なんだろう。」

「どんな人たちが暮らしているんだろう。」

「どんな空気なんだろう。」


調べれば調べるほど分からないことが増えていきます。

でも、不安よりも大きかったのはワクワクでした。


まだ知らない景色。

まだ知らない文化。

まだ知らない自然。

まるで未開拓の地へ向かうような感覚。


もちろん実際には多くの方が訪れている場所ですが、日本ではまだ情報が少ないからこそ、自分自身の目で見て、感じて、その魅力を伝えたい。

そんな想いがどんどん強くなっていきました。


そして6日間過ごして感じたこと。

グリーンランドは、私の想像を遥かに超える、本当に素晴らしい場所でした。


このブログでは、私が実際に見て、感じて、心を動かされたグリーンランドの魅力を、写真とともに皆様へお届けしたいと思います。

これから訪れてみたいと思っている方の参考にも、少しでもなれたら嬉しいです。

そして、

「グリーンランドって行ってみたい。」

そんな風に思っていただけたら、それ以上に嬉しいことはありません。



世界自然遺産の町、イルリサット


今回滞在したのは、西グリーンランドに位置するイルリサットという町です。

人口は約4,500人。

町の面積は約11.25㎢。

そして冬に活躍する犬ぞり犬は約3,000頭。

人口に匹敵するほど多くの犬たちが暮らしています。

「イルリサット」という名前は、グリーンランド語で「氷山」という意味。


その名の通り、町のすぐ近くには、UNESCO世界自然遺産に登録されているイルリサット・アイスフィヨルドがあります。


世界でも最も活発な氷河の一つ「セルメク・クヤレク氷河」から、毎日大量の氷が海へ流れ出し、巨大な氷山となって海を漂っています。

実は、タイタニック号が衝突した氷山も、この海域から流れ出たものだったと言われています。

町の人にとっては日常の景色でも、私にとってはどこを見渡しても感動する景色ばかりでした。



カラフルな町並みに込められた歴史


イルリサットを歩いていて、まず目に飛び込んでくるのが、赤や黄色、青、緑など色鮮やかな木造の家々です。

真っ白な氷山と青空。

その中に並ぶカラフルな建物は、とても可愛らしく、歩いているだけで心が弾みました。

最初は、

「雪景色の中でも見つけやすいようにカラフルなのかな。」

と思っていたのですが、実はそれだけではありませんでした。

昔のグリーンランドでは、建物の色によって役割が決められていたそうです。

例えば、

赤色は教会や商店などの公共施設。

黄色は病院や医療関係。

青色は漁業に関わる建物。

冬には雪や吹雪で視界が悪くなるため、遠くからでも建物の用途が分かるよう、このような工夫がされていました。

現在では住宅の色は自由になっていますが、その歴史は今も町並みに残されていて、イルリサットならではの美しい景色をつくっています。

ただ美しいだけではなく、人々が自然と共に生きるための知恵。

それが、この町には当たり前のように息づいていました。



犬ぞり文化が今も息づく町


イルリサットを歩いていると、日本ではなかなか見ることのできない景色があります。

それが犬ぞりの犬たちです。


冬になると、人や荷物を運ぶ大切なパートナーとして活躍します。

現在ではスノーモービルも普及していますが、犬ぞりは今もなお、この土地の暮らしを支える大切な文化として受け継がれています。


そして驚いたのが、生後6か月までの子犬たち。

法律によって繋がれることなく、自由に過ごしています。

もちろん、勝手に触ることはできません。

飼い主さんの許可がない限り、見守るだけです。


日本で見かける犬とは少し違い、どこか野性味を残した凛々しい瞳。

厳しい自然の中で生きる力強さを、その姿から感じました。




ゆっくりと流れる時間


イルリサットで過ごしていて印象的だったのは、町全体に流れる時間でした。


もちろん時計は日本と同じように進んでいます。

でも、不思議と時間だけがゆっくり流れているように感じるのです。

港に停泊する漁船。

子どもたちの笑い声。

犬たちの遠吠え。


どれもが穏やかで、慌ただしさを感じません。

現地の方々も、とても温かく迎えてくださいました。

スーパーで買い物をしていても、

道ですれ違っても、

笑顔で声をかけてくださる方が多く、

初めて訪れた土地とは思えないほど安心感がありました。


雄大な自然の中で暮らしているからでしょうか。

どこか皆さん心に余裕があり、その空気が町全体を包んでいるようでした。



この町の日常は、私にとっては特別でした


イルリサットの皆さんにとっては、ごく当たり前の日常。

犬ぞり犬がいて、

海には氷山が浮かび、

白夜の光が町を照らす。

でも、そのどれもが私にとっては初めて見る景色でした。

「こんな暮らしが世界にはあるんだ。」

その発見の連続でした。


旅というと、有名な観光地を巡ることに目が向きがちですが、

私はその土地で暮らす人々の文化や日常に触れる時間が、とても好きです。

その土地だからこそ生まれた暮らし。

自然と共に生きる知恵。

それらを知ることで、その場所をもっと好きになれる気がします。


グリーンランドも、まさにそんな場所でした。



次回予告


この時はまだ知りませんでした。

このあと目にする景色が、私の人生の中でも忘れられない景色になることを。

夜23時、船の上から見た、海に映るもう一つの太陽。

淡いピンク色に染まる空。

そして、目の前いっぱいに広がる巨大な氷山。

次回は、この旅で一番楽しみにしていた「白夜」と「氷山」についてお届けします。


写真では伝えきれないほど美しかった、グリーンランドの自然。

その景色と、その瞬間に感じた想いを、皆様にもお届けできたら嬉しいです。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。


clear Yuki

コメント


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